おすすめエッセイ｜「歩くような速さで」是枝裕和

タイトルに惹かれて手に取った本。作者が「そして父になる」という映画の監督であることを知り興味をもって読み始めました。

「そして父になる」は前に見たのですが、いい映画だとは思うけどちょっと行間が分かりにくい印象のある作品でした。でもこの本には、是枝さんの作品づくりにおいて大切にしていることや背後にある考えなどが具体的な出来事と共にわかりやすく書かれていて、「そして父になる」で感じていた違和感をずいぶん解消することができました。

また以前、夜中にテレビで放映していて何の気なしに最後まで見てしまった映画「歩いても歩いても」の監督もまた是枝さんであることをこの本で知りました。この映画も特に興味があって見たわけではなかったのですがずっと印象に残っていた映画だったので、樹木希林さんや阿部寛さんなどキャストと是枝さんの関係や、演技や演出に関するエピソードの一つ一つが大変興味深いものでした。

他にも、家族や震災に関連したエピソード、映画「英国王のスピーチ」の感想と自分ならどんな話にするだろうかといった箇所など、微笑ましかったり考えさえせられたりする部分がたくさんあり、読んでよかったなと思えるエッセイでした。

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